國文華協会


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【永岩俊道元空将のお話】



 当日は写真を撮りそびれ、この写真は、NPO法人「日本を護る会」主催による過去の懇親会でのものです。真中が永岩俊道さん、右が大橋武郎さん、左がJames Dan Cloyd在日米海軍司令官(当時)。

 4月6日に行われたNPO法人「日本を護る会」の定例会では、同NPO法人理事の大橋武郎理事長同様、要撃戦闘機F-15の操縦手出身で、理論整然とした論説と海外事情に通じた永岩俊道氏をお招きしての、結構な勉強会となりました。

 「結構な勉強会」とした点、御理解いただきたいのですが、大袈裟ではなく文字通り、勉強になったという意味です。永岩氏は、PCを持参され、海外での報道や公的機関の発表を訳文、原文併記で説明され、外国要人の記者会見の動画もものによっては外国語のみで紹介し、場合によっては永岩氏が訳出するという具合で、正直なところ最初は「授業の様な・・・」という印象も受けたのですが、話を聞いていると、確かに日本での報道などによる訳出、解釈では専門家でないと正確には意味するところを捉えにくい様な、微妙な語彙の違いなどを的確に指摘されており、永岩氏の仰る通り現地語での記事に当らないと情勢が分からない、という点は非常に納得の行くものでした。

 私は、うっかり的外れな事を質問してしまい、「報道での理解の浅い解釈を鵜呑みにしてはならん」という様な趣旨の返答をいただいてしまいましたが、何にしましても私は専門家ではないので雑誌のリポートを当てにしてしまうのところは御容赦願いたいところです。

 概ね、こういった認識の違いは永岩氏の様な専門家の方々はよく理解されている様に思われます。逆に言えば、現在の日本は民主主義とは言うものの、肝心の国民側が安全保障に関する正確な知識に触れる機会が少ないという事でもあります。事実、安全保障に関しては民間の研究は経済学によるものが結構あり、T. Schelling(2005年ノーベル経済学賞受賞)の研究などは世界的に良く知られていますが、日本ではこの手の研究は稀で、触れる機会も希少です。これは、単純に無理解であるばかりではなく、民主主義の観点から言っても合理的に安全保障予算の精査を行える人間が少ないという欠点にもつながり、安全保障の強化のみならず、軍縮などの見方からみても不利益であると言えます。

 T. Schellingの例を引き合いに出しましたが、T. Schellingの研究は「抑止力」の考え方に大きな前進をもたらしましたが、これは一種の「軍縮」でもありました。と言っても当時は激しい軍拡競争の時代であったので、軍拡による財政破綻を回避するものとして歓迎されたものですが、Schelling自身も言っている様にゲームセオリー(駆け引きの理論)は、核軍縮の一助としても効果のあるものと言えます。

 何にしましても、現在の日本では安全保障に関するもの全般で専門家が少ないと同時に、教育現場でも一般社会でも触れる事が少ないという面は確かにあると思われますので、いつも私の文華研究を応援してくださっている大橋武郎NPO法人日本を護る会理事長が、文華的復興の紹介と並行して行っている安全保障の専門家の方々と直接お話しする事の出来る機会は貴重であると考えています。




 (五瀬:平成29年4月10日)












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