古を思う



平成29年 全国土禍事(まがごと)祓い
を執り行いました



 今年からは「全国土禍事(まがごと)祓い」と名称を改め「全国土のあらゆる禍事」に立ち向かう心構えを明確にしました。

 「立ち向かう心構え」などと言いますと「神社にふさわしく無いのでは」と仰る方もいらっしゃりますが、実は昔の日本では戦勝祈願はよく行われたものでもあります。こういった祈願は少し前の「外国のものを良しとし、日本のものを劣ったものと見る」傾向から廃(すた)れて行ったもので、神功皇后が戦勝祈願のために住吉神社を創建した故事などはあまりにも有名です。確かに外国の文華には優れたものも多く、学ぶべき点はあまりにも多いと言う事が出来ますが、私達の国日本にも他国に勝る優れた精神文華があり、この点は寧ろ他国に誇るべきもといえます。他国の優れた部分は積極的に学び、なおかつ、日本の優れた精神文華は、これに自信を持って、文献だけでなく伝統を継続する事によって伝承し弘(ひろ)める事が今の我々に求められていると思われます。

 こういった事の意義は江戸期の國学者、本居宣長(もとおりのりなが)の著書に詳しく示されておりますが、解説書の類では見落とされている部分も多くありますので、『古事記傳(こじきでん/ふることふみのつたえ)』や『玉勝間(たまかつま)』などを冒頭から読んでいただくと分かりやすいと思います。また戦前の文学者の一部は本居の論調を「過激」とした方もいらっしゃいましたが、そういった方々の多くが漢学の影響を受けており比較的飾った物言いを好む傾向があった事を指摘しなければならないでしょう。本来の日本人のあり方というのは、清国、朝鮮の様な飾り多きものではなく、本居の論調のように率直なものであったはずです。

 なお、今回は初参加の学生の方もいらっしゃったので、この神社の熱心な崇敬者でもあられた、同郷の先人にして、大戦の英雄の一人であった小野田寛郎さんにちなんだ場所に御案内して、少しばかり故郷の英雄についてお話させていただいたりもしました。

 今の日本でも、様々な禍事があります。心の荒廃による不善、犯罪、領土紛争など数え挙げれば切りがありませんが、私達が祖先から伝承してきた重厚なる風儀を確認し、誇りと自信、勇気を以って、立ち向かというのが、本来の私達日本人のあるべき姿であると考えています。





 (五瀬:平成29年2月20日)






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